こんにちは。
現役ハンドメイド作家のミロクです。
布小物作家として、バッグや財布を制作・販売しています。
子どもの入園・入学に合わせて準備するレッスンバッグ(サブバッグ・絵本バッグなどとも呼びます)。
これがハンドメイドデビューになるお母さんも多いですよね。
でも、初めてのミシンでバッグなんて大物が作れるかな?と心配な人もたくさんいるのでは?
今回は、基本的なレッスンバッグの作り方を手順ごとに解説します。
さらに、
- 共布で作る簡単な持ち手の作り方
- 初心者さんが疑問に思いがちな点を解説
- おすすめの材料・道具
- どうしても自分で作れない人向け、作家さん手作りのレッスンバッグ
も紹介しています。
これを読んで、一緒に素敵なバッグを作りましょう!
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レッスンバッグの基本サイズと材料
レッスンバッグの基本サイズ
学校や幼稚園・保育園によっては、かなり細かくサイズ指定がある場合もあります。
入学準備品のプリントなどをあらかじめチェックしておいてください。
今回は一番一般的と思われる、こちらのサイズで作っていきます。
完成サイズは、
- タテ30センチ×ヨコ40センチ×マチ5センチ
- 持ち手は35センチ
です。
お子さんに持たせた時にバッグが地面につかない方が良いので、持ち手の長さは適宜調節してください。
息子の初代レッスンバッグは、持ち手が長すぎたので引きずられてあっという間に穴があきました…(遠い目)
マチというのは、バッグの厚みの部分です。
市販のレッスンバッグには、まったくマチのないぺたんこバッグもありますが、4~5センチ程度マチを付けてあげた方が扱いやすいです。
レッスンバッグの材料
レッスンバッグに必要なのは
- 表布(キルティングやオックスなど)
- 内布(薄手〜普通厚の布)
- 持ち手(①②と共布またはアクリルテープ)
の3つです。
布の素材や色柄に指定があればそれに従ってください。
指定がなければ( )内を参考に好みの物を選びましょう。
↑私が使っているのと同じ生地は現在販売しているショップがないのですが、同じゾウさんのキルティング生地だとこんな感じ?男の子にもおすすめの色ですね。
↑こちらはピンク&ホワイトのネコちゃん。
持ち手について
持ち手は、市販のアクリルテープを使って作る方法と、共布を使って作る方法があります。
アクリルテープは必要な長さに切るだけですし、入園入学の時期になると色数も豊富に取り揃えてあるので、手に入る場合はそちらを使った方が簡単です。
「アクリルテープ」という名称が一般的ですが、「かばんテープ」「持ち手テープ」という名前で売っているお店もあります。
アクリルテープを買う時は、幅25ミリで、あまり固すぎない物を選びましょう。
(幅広&固いものだと子どもが持ちづらいです)
今回は、バッグ本体と同じ布(共布と言います)で持ち手を作る方法を紹介しています。
好みのテープが手に入らなかった時など参考にしてください。
持ち手を自作する時は、布用のボンドがあると便利です。
写真のボンドは「裁ほう上手」という商品です。
貼り合わせた上からアイロンで押さえると接着します。
アイロンが必要ないスティックタイプもありますが、かなりコスパが悪いので、チューブタイプをおすすめします。
ボンドがない場合は、待ち針やクリップを使いましょう。
↑布用ボンドは「裁ほう上手」以外にも多数存在しますが、「布に染み出しにくい」「強力接着」という点ではこちらの商品が一番おすすめです。
レッスンバッグの作り方 手順まとめ
記事が長くなるので、先に制作手順をまとめておきますね。
レッスンバッグの作り方は
- 生地を裁断する
- 布端の処理をする
- 持ち手を作る
- バッグ本体に持ち手を付ける
- 表布と内布を合わせて袋口を縫う
- 脇を縫う
- マチを縫う
- 表に返して返し口を綴じる
- 袋口に仕上げ縫いをする
という流れになっています。
長そうに見えますが、布端の処理と返し口以外はミシンの直線縫いばかりなので、そんなに身構えなくて大丈夫です!
写真で解説!レッスンバッグの作り方
1.生地を裁断する
まずは必要なパーツを揃えましょう。
縫い代はすべて1センチでとります。(数字は縫い代込みのサイズです)
- 表布…タテ32センチ×ヨコ42センチ(2枚)またはタテ62センチ×ヨコ42センチ(1枚)
- 内布…タテ62センチ×ヨコ42センチ(1枚)
- 持ち手…タテ39センチ×ヨコ5センチ(表布2枚、内布2枚)またはアクリルテープ2.5センチ幅×39センチ(2本)
柄の向きに注意しましょう
バッグ本体パーツを裁断する前に、布の柄をよく見てください。
柄に上下がなくどちらから見ても変わらない物であれば、長く1枚で切れます。
反対に、柄に上下がある場合には、2枚に分けて切ります。
どうして分けちゃうの?
もし柄に上下がある布を長く1枚のパーツとして切った場合、半分に折ると、片側は柄が逆さまになってしまいます。
なので、2枚に分けて切り、底になる部分を縫い合わせて繋げる必要があります。
このように、布の表同士を合わせて(中表にする、と言います)、布の裏を見ながら底部分を縫い合わせます。
縫い代は1センチです。
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こちらは底同士を縫い終わって表から見た写真です。
中央の縫い目を境に、柄の上下が逆転しているのがわかりますか?
これで、半分に折ってもそれぞれの面で正しい向きの柄が出ます。
縫い合わせる分、余計に縫い代が必要になるので、1枚の時と2枚の時ではタテの長さの合計値が違います。
※内布に柄の向きがある布を使う時は、内布も2枚に分けて切ってくださいね。
寸法は表布のサイズを見てください。
2.布端の処理をする
パーツを裁断したら、布の端にほつれ止めをします。
ミシンの「ジグザグ縫い」または「ふちかがり縫い」で、布の端を縫っていきます。
(写真は家庭用ミシンのふちかがり縫いです)
ロックミシンを持っている人は、もちろんそちらを使った方がきれいに仕上がります。
ミロクさん、ロックミシン持ってるのに使わないの?
作業机にミシン2台置くスペースがないので…。
3.持ち手を作る
共布を使った持ち手の作り方です。
表布を4つ折りにして作るのもよいですが、せっかくなので、表布・内布の両方を使って作ってみましょう。
3-1.布を中心線に合わせて折る
持ち手の幅を二等分します。
今回は布幅5センチなので、端から2.5センチのところに線を引いてください。
今引いた線に合わせて端を折ります。
中心で突き合わせるような感じです。
キルティング生地は厚くてアイロンで癖をつけにくいので、布用ボンドで仮止めしておくと良いでしょう。
表布2本に続き、内布も同様に作業します。
こちらは薄いのでボンドはなくても折れるはずです。
内布は、表布より若干細め、布同士が少し重なるように折るのがポイントです。
3-2.表布と内布を重ねて縫い合わせる
次に、今作った表布パーツと内布パーツを重ねます。
写真のように、布端が見えている方同士が内側になるように合わせてください。
前の工程で内布を少し細めに作ったので、表布が両側すこしずつ出ている状態です。
ここでも、布用ボンドで仮止めしておくと扱いやすいです。
もちろん待ち針やクリップでも大丈夫ですが、ずれないように注意しましょう。
仮止めしたら、両端にステッチをかけて固定します。
縫い目が内布から落ちてしまわないように注意しながら縫いましょう。
これでバッグ本体と同様に、表と裏で柄の違う持ち手ができました。
見栄えもするうえに、適度な厚みと柔らかさがあって、子どもでも持ちやすいですよ。
この方法は一度覚えておくといろいろな袋物で活躍しますので、ぜひ試してみてください。
4.バッグ本体に持ち手を付ける
4-1.名札やワッペンなどはあらかじめ付けておく
バッグに名札を縫い付ける必要があったり、タグやワッペンなどで装飾をしたい場合は、持ち手を付ける前のこの段階で付けておきます。
4-2.持ち手を配置する
装飾などすべて付け終わったら、持ち手を付けます。
表布の中心から左右に6センチの位置に待ち針で目印を付けます。
(この時、待ち針同士は12センチの間隔があいています。)
印の位置に持ち手の端を合わせて、下の写真のように置きます。
持ち手に表裏がある場合は、表を下にしてください。
さらに、持ち手は本体から1センチ飛び出すように置きます。
ねぇ、この図は何?
すみません。作業に夢中で写真を撮り忘れました…。
4-3.持ち手を仮止めする
布端から5ミリくらいのところを縫って、本体と持ち手を仮止めします。
布が重なって厚くなっているので、ミシンはゆっくりと動かしましょう。
返し縫いをしながら2往復くらい縫っておいてください。
あとで布端から1センチのところを縫い合わせるので、仮止めはそれより上側に!
反対側の持ち手も同様に仮止めまでしてください。
5.表布と内布を合わせて袋口を縫う
持ち手を縫い付けた表布の上に、内布を中表に(布の表同士が内側になるように)して重ねます。
ずれないように固定したら、袋口(バッグ本体の短辺側。持ち手が付いているところ)を縫い代1センチで縫います。
写真の赤いラインを縫います。
下にある持ち手を縫いこんでしまわないように気を付けましょう。
6.脇を縫う
6-1.袋口が中央にくるように折る
袋口を両方とも縫ったら、袋口の縫い目同士を合わせて中央にくるように、下の図のようにたたみ直します。
さきほど縫った部分が真ん中になり、それを挟んで片側は表布、もう片側は内布になります。
6-2.返し口を残して脇を縫う
次にバッグの脇を縫います。
縫うのは下の図の青い線の部分です。
このとき、内布側に1か所、返し口を作ります。
底に近い部分はこの後マチを作るので、内布の真ん中あたりに返し口をとります。
図の赤い部分は10~15センチくらい縫わずに開けておいてください。
ミロクさん、この図は…
ごめんなさい、またもや写真撮り忘れました…
7.マチを縫う
次はマチです。
バッグの角に当たる部分を写真のように三角に折り開きます。
写真の真ん中にある縫い目が、一つ前の工程で縫った脇線です。
この真下に底のラインがあります。
脇線を中心に左右に2.5センチずつ、計5センチの線を引き、そこを縫います。
左右対称になるように形を整えてから縫ってくださいね。
縫い終わったら、縫い代1センチを残して、先端の三角は切り落とします。
(ひっくり返すときジャマになるので)
切り口はジグザグミシンなどをかけてほつれ止めをしておきましょう。
8.表に返して返し口を綴じる
返し口から手を入れて布をつかみ、少しずつ引っ張りながら全体をひっくり返します。
返し口が裂けないように、丁寧に引き出します。
返し終わったら形を整えてから、返し口を縫って閉じます。
手縫いで閉じるときは、写真のように「コの字」に閉じていくと、縫い目が見えなくなってきれいです。
ミシンで閉じるときは、布の端1ミリくらいのところを縫えば目立ちません。
9.袋口に仕上げ縫いをする
最後に、内布をバッグ本体(表布)にきれいに収め、袋の口をぐるっと一周ミシンで縫います。
縫い代を落ち着けてバッグの口をきれいにしたり、補強の意味もあります。
以上で、レッスンバッグ、完成です!お疲れさまでした!
初心者さんFAQ こんなときどうしたらいいの!?
ここからは、バッグ作り初心者さんならでは疑問にお答えします。
Q.気に入った柄のキルティング生地が手に入らない時はどうしたらいい?
今回は表布をキルティング生地で作りましたが、絶対にそうしないといけないわけではありません。
子どもが使うバッグなのであまり薄手のものは不向きですが、洗濯が可能で、ある程度しっかりした生地なら種類問わず使えます。
表布をキルティング生地以外で作るときは
- アイロン接着タイプのキルト芯を使う
- 内布をキルティング生地にしてみる
など工夫すると、ペラペラにならずにしっかりしたバッグができます。
↑無地のキルティングを内布として使えば、表は普通地でもしっかりとしたバッグになります。
色数も多いので、柄布禁止の園にも対応できますね!
Q.布が横長にしか余らないのだけど、持ち手は縦長に裁断しないとダメ?
布には伸びやすい方向と伸びにくい方向があります。
基本的には斜め方向がもっとも伸びやすく、次に横方向、最後に縦方向が一番伸びにくいとされています。
持ち手は力がかかる部分なので、より伸びにくいように縦長に裁断してあります。
どうしても横長にとりたい場合は、まず使う布を縦横に引っ張ってみてください。
横方向の方が伸びると感じるなら、接着芯を貼って補強してから使いましょう。
伸びを感じない場合はそのまま使ってもOKですが、長く使ったり洗濯することで伸びる場合がある、という事を覚えておいてください。
斜めに裁断するのだけはダメですよ~!
まとめ
今回は子ども用レッスンバッグの作り方を写真を使って詳しく紹介しました。
レッスンバッグは、袋物の中でも基本が詰まった構造をしています。
これが作れるようになると、サイズや素材を変えていろいろなバッグが作れるようになります。
入園入学だけでなく、習い事などで必要になることもあるので、ぜひ覚えてくださいね。
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