令和の新天皇陛下ご即位を内外に披露するための儀式、即位礼正殿の儀(そくいれいせいでんのぎ)が2019年10月22日に執り行われます。

即位礼正殿の儀には、世界各国の元首や祝賀使節団が参列して天皇陛下のご即位をお祝いします。

儀式の模様はテレビやインターネットでも中継される予定で、我々一般国民でもその様子を見ることができるとあって、私も今からとても楽しみです!

 

作家として着物リメイクや和柄のバッグを作っている私が特に注目しているのは、天皇陛下が儀式の際にお召しになる特別な衣装です。

黄櫨染御袍こうろぜんのごほうという名前の装束なのですが、ご存知ですか?

多分、「あ~!知ってるよ!アレね!」となる人はほとんどいませんよね。

そこで今回は、天皇陛下が即位礼正殿の儀でお召しになる黄櫨染御袍について、色や文様の意味・由来を詳しく紹介します。

私も初めて名前を聞いたので調べてみたところ

  • 黄櫨染御袍は重要な儀式でしか着用されない
  • 天皇陛下以外は着用を許されない色「黄櫨染」を使っている
  • 黄櫨染を染めるのは大変難しく、熟練の職人さんをもってしても毎回同じ色にはできない
  • 黄櫨染御袍には1200年以上前から存在する、由緒正しい文様「桐竹鳳凰文」が織り込まれている
  • 桐竹鳳凰文は天下泰平や善い治世を願って使われているのではないか
  • 黄櫨染御袍は少なくとも数百万円、あるいはもう1ケタ上ではないか

ということがわかりました。

これを知っていれば、あなたもハナタカですよ!

 

また、この日は午後から国民へのお披露目として、祝賀御列の儀というパレードも行われる予定です。

パレードについては、関連記事にコースやおすすめ・穴場の見物スポットを詳しく紹介していますので、ぜひご覧ください!

スポンサーリンク

即位の礼(即位礼正殿の儀)での天皇陛下の衣装「黄櫨染御袍(こうろぜんのごほう)」の色・文様の意味や由来を解説!

黄櫨染御袍(こうろぜんのごほう)って何?いつ着る服装?

黄櫨染御袍(こうろぜんのごほう)は天皇陛下がお召しになる特別な儀式用の装束です

引用元:Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/黄櫨染御袍

黄櫨染御袍とは、天皇陛下が重要な儀式の際にお召しになる束帯(そくたい:平安時代以降の天皇や公家の正装)装束です。

黄櫨染は色の名前、袍は衣服の種類を表しています。
天皇陛下の衣装なので「御」を付けて丁寧に言っているんですね。

アイコアイコ

茶色のおズボン、って言ってるみたいな感じ?

ミロクミロク

そうだけど…そうだけど、ねぇ?
せめて「お着物」とかにしましょうよ(笑)

 

例えがあんまりなので、もう少し真面目に見ていきましょうね。

 

袍(ほう)というのは日本や中国で用いられる衣服で、特に飛鳥時代~平安時代にかけての日本では、役人が朝廷に出仕するときに着ていました。

現代の日本では、神社で祈祷をしてもらうときに神職の方が着ているのを目にするくらいでしょうか。
もしくは、雛人形を思い出してもらってもいいですね。

ちなみに、袍は上衣だけを指します。
下は袴ですね。

西暦820年(弘仁11年:平安時代初期)、嵯峨天皇により、黄櫨染御袍は天皇の重要儀式用の服装として定められました。
1200年もの歴史がある、大変に由緒正しい衣装です。

天皇陛下だけが着用を許された色「黄櫨染(こうろぜん)」とは?

先ほども軽く触れましたが、「黄櫨染」とは、色の名前です。

黄櫨染は櫨(ハゼノキ)の樹皮と蘇芳(スオウ)を使って染められる色で、

  • 赤味がかった黄色
  • 黄がかった茶色

などと表現されます。

8世紀以降現代に至るまで、在位中の天皇陛下だけが着用を許されている日本の絶対禁色(ぜったいきんじき)です。

※禁色というのは、特定の位の人以外は身に着けてはいけない色、という意味。

つまり、特別中の特別な色なんですよ。

 

具体的にどういう色か調べたところ、ちょっとおもしろいことになりました。
調査結果をまとめた、こちらの画像をご覧ください。

天皇陛下の儀式装束に使われる黄櫨染という色を調べたところ、こんなにばらつきがありました。

Wikipediaの他、色の名前や情報を調べることができるサイトで黄櫨染を検索すると、画像のようにサイトによってバラつきが生じました。

他の人は絶対着てはいけない色なのに、こんなに曖昧だったとは衝撃でした!

理由を調べたところ、黄櫨染は熟練の職人さんをもってしてもまったく同じ色に染めるのが大変難しい色であるため、歴代の天皇陛下によって色の濃さに若干の違いが出てしまうのだそうです。

天然の草木を使って染められるものなので、現代の化学染料のような均一な色にはならないというわけですね。

 

2019年10月22日の即位礼正殿の儀で天皇陛下がお召しになる黄櫨染御袍は一体どんな色になるのでしょう?

平成天皇(今の上皇陛下)との違いに注目すると面白いですよ!

黄櫨染御袍(こうろぜんのごほう)に織られた文様「桐竹鳳凰文」の意味・由来は?

続いては、黄櫨染御袍の布地に折りこまれた文様に着目してみましょう。

遠目では無地にも見えるのですが、よーく見ると、装束全体に同じ模様がいくつも織り込まれています。
それが、こちら。

天皇陛下の黄櫨染御袍に織られた桐竹鳳凰麒麟文

出典元:日本服飾史 https://costume.iz2.or.jp/color/480.html

スポンサーリンク

桐竹鳳凰文(きりたけほうおうもん)は、天皇陛下の儀式用の装束にのみ使われる、筥型(はこがた:つまり四角形)の文様です。
たくさんの要素が合わさっていますが、この画像全体で1つの柄とされています。

麒麟だけ後から付け足されたので、「桐竹鳳凰麒麟文」と呼ばれることもあります。

 

鳳凰は中国の古代伝説に登場する架空の鳥で、鶏・鶴・孔雀・獣などを合体させたような姿をしています。

吉祥の象徴である瑞鳥(ずいちょう)、つまりとても縁起の良い鳥です。

「桐竹鳳凰文」に登場する鳳凰は一万円札にも描かれています

一万円札に描かれている、この鳥が鳳凰です。

伝説によると、鳳凰は、為政者が良い政治を行っていると天上から舞い降りて、乱世になるとたちまち飛び去ってしまうと言われているそうです。

また、鳳凰は地上では桐の木に棲み、竹の実を食すとされていることから、桐と竹も一緒に描かれています。

 

麒麟(きりん)も鳳凰とともに吉祥の象徴とされる霊獣で、姿は鹿、蹄が馬、尾は牛、頭に角が一本という姿が基本ですが、時代の変化とともにそのデザインには多少の幅があるようです。

「桐竹鳳凰文」に登場する麒麟は身近なところにいました

一番身近な麒麟、冷蔵庫にいました。
あなたも見たことありますよね?

黄櫨染御袍には後代になって付け足されたようですが、13世紀ごろに追加されたと推測されているものの、文献的にはっきりとした裏付けはされていません。

現存最古の後奈良天皇(在位1526年~1557年)の御袍は現在のような筥形の桐竹鳳凰麒麟文となっていることから、遅くとも戦国時代には今の形になったと考えられます。

 

桐竹鳳凰文は、天下泰平を願い、善い治世を行う意思表示として、天皇の衣装に用いられる文様に定められたのではないでしょうか。

天皇陛下専用の装束・黄櫨染御袍(こうろぜんのごほう)の値段を予想してみた

ここまでで、黄櫨染御袍がいかに特別な衣装かということはわかっていただけたと思います。

そんな黄櫨染御袍は一体いくらぐらいするのか・・・気になりますよね?

もちろんお値段は公表されていませんし、そもそも値が付けられるような品でないことは分かっています。

でも、無礼を承知であえて金額について考察してみます!

 

天皇陛下と同じ服がネット通販に売っているわけはないので、まずは神職の方が着用する袍のお値段を調べてみました。

正絹(しょうけん:天然のシルクという意味)素材の袍は安いものでも16万円ほど、高いものだと50万円以上になります。

これはあくまでネット上で価格がわかるものに限ります。

こういう特別な服は、専門の業者さんに発注してオーダーメイドに近い形で買うでしょうから、実際にはもっと高額なものもあるはずです。

 

次に、布地について考えてみます。

天然の素材を使って染めていて高級品、と言ったら、真っ先に浮かぶのは大島紬。

大島紬の反物で一番高いものを楽天で調べてみました。
それが、こちら。

国家公務員の平均年収でも足りないくらいの高級品でした。
そんなの楽天で買わないって…。

大島紬は製法がだいぶ違うので、今度は草木染で有名な八丈島の伝統工芸品・本場黄八丈で比べてみましょう。

こちらも、100万円近くしますね。
天然素材、恐るべし。

 

皇室で使う特別なものですから、一般向けに流通している高級品の更に上を行く品質でしょう。

特に黄櫨染は大変難しい技法を用いて染められるので、素材そのものよりも技術料がかかりそうです。
ということは、お値段もとんでもない額になりますね。

黄櫨染御袍は少なくとも数百万円、というか0をあと一つ足しても良いのではないでしょうか。

まとめ

今回は、2019年10月22日に行われる即位礼正殿の儀で天皇陛下がお召しになる「黄櫨染御袍」について解説しました。

おさらいすると、

  • 黄櫨染御袍は重要な儀式でしか着用されない
  • 天皇陛下以外は着用を許されない色「黄櫨染」を使っている
  • 黄櫨染を染めるのは大変難しく、熟練の職人さんをもってしても毎回同じ色にはできない
  • 黄櫨染御袍には1200年以上前から存在する、由緒正しい文様「桐竹鳳凰文」が織り込まれている
  • 桐竹鳳凰文は天下泰平や善い治世を願って使われているのではないか
  • 黄櫨染御袍は少なくとも数百万円、あるいはもう1ケタ上ではないか

ということでした。

もう、異次元の装束ですよ。

そんなすごいものがテレビでとはいえ見られるのですから、これは絶対に中継を視聴しないといけませんね!

スポンサーリンク